穂見祭

宮司が幼稚園で作っていいる小さな田んぼの稲にも今年も変わらぬ穂がではじめました。稲穂が出るこの時期に行われる祭事を「穂見祭」と呼びます。毎年40家ほどの神道家に出かけ祖霊祭を行います。農耕民族である日本人の基本は稲つくりの生活です。「今年も例年のように稲が育ち稲穂を見ることができました。これは偏にご先祖様のご加護によるもだ」という謙虚な感謝をささげる先祖祭りです。お盆は仏教の専売特許のように思われていますが、古来から脈々と続くご先祖を大切にする考えの上にのちに大陸から伝わった仏教の「盂蘭盆」が習合された行事で、ご先祖にたくさんの供物を乗せたおぼんを供えることから「お盆」と呼ばれるようになったのが大元のようです。ご先祖を大切にし感謝をささげる、目には見えない世界に行かれたご先祖は子孫の繁栄を静かに見守る。これが日本人の一貫した死生観です。それにしても穂見祭とはすてきなネーミングですね。

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